第 5 章 ハードウェア
CPU・メモリ・ディスクの仕組み。この章では次の 16 個の知識点を、解説・インタラクティブ教材・練習問題で学びます。
五大装置とノイマン型コンピュータ
ハードウェアは五大装置(制御・演算・記憶・入力・出力)で構成され、制御装置と演算装置をまとめて CPU という。私たちが使うコンピュータはノイマン型コンピュータで、プログラム内蔵方式(プログラムを主記憶に読み込んでから実行)と逐次制御方式(命令を 1 つずつ順に実行)が特徴。
CPU とメモリの構成・レジスタ
CPU の中には小容量・超高速の記憶場所レジスタがある:プログラムカウンタ(次の命令のアドレス)・命令レジスタ(取り出した命令)・インデックスレジスタ / ベースレジスタ(アドレス計算の基準)・アキュムレータ(演算対象・結果)・汎用レジスタ。デコーダが命令を解読し、ALU が計算する。主記憶は番地(アドレス)付きの箱の並び。
命令実行手順
CPU は 1 つの命令を ① 命令の取出し(フェッチ)→ ② 命令の解読 → ③ オペランドの読出し → ④ 命令の実行 の 4 段階で処理する。取出しのときにプログラムカウンタは次の命令のアドレスへ進む。
アドレス指定方式
オペランド部からデータの場所を決める方法。即値(値そのもの)・直接(その番地の中身)・間接(その番地に書かれた番地の中身)・インデックス(オペランド+インデックスレジスタ)・ベース(ベースレジスタ+オペランド)・相対(オペランド+プログラムカウンタ)。
CPU の性能評価(クロック周波数・CPI・MIPS)
クロック周波数=1 秒あたりのクロック数(1 クロックの時間=1 ÷ 周波数)。CPI=1 命令に必要なクロック数。MIPS=1 秒間に実行できる命令数(百万単位)=クロック周波数 ÷ CPI ÷ 10⁶。命令の種類で CPI が違うときは出現率で重み付けした平均 CPI(命令ミックス)を使う。
CPU の高速化(パイプライン・CISC / RISC)
パイプラインは命令実行の段階を 1 つずつずらして重ね、複数の命令を並行処理する。k 段で n 命令なら k + (n − 1) サイクル。分岐命令には分岐予測と投機実行で対応。さらにスーパーパイプライン(段を細分化)・スーパースカラ(パイプラインを複数)。設計思想は CISC(複雑な命令)と RISC(単純な命令を高速に)。
メモリの分類(RAM・ROM)
メモリは読み書きできる RAM(電源を切ると消える)と、読み出し専用の ROM(消えない)に分かれる。RAM は DRAM(リフレッシュ必要・安価・主記憶) と SRAM(リフレッシュ不要・高速・高価・キャッシュ)。ROM はマスク ROM と PROM(EPROM・EEPROM・フラッシュメモリ)。
キャッシュメモリ(ヒット率・実効アクセス時間・書込み方式)
キャッシュメモリ(SRAM)は、高速な CPU と遅い主記憶(DRAM)の速度差を埋める。読みたいデータがキャッシュにある確率がヒット率。実効アクセス時間 = キャッシュの時間 × ヒット率 + 主記憶の時間 × (1 − ヒット率)。書込みはライトスルー(両方に同時)とライトバック(キャッシュだけ、追い出すときに主記憶へ)。
メモリインタリーブ
メモリインタリーブは、主記憶を複数の独立したバンクに分け、連続した番地を別々のバンクに割り当てて並列にアクセスする高速化手法。キャッシュを使わない方法で、連続したデータの読み出しに効果がある。
ハードディスクの構造と記憶容量
ハードディスクは、磁気で記録する円盤(プラッタ)が何枚も重なった補助記憶装置。最小単位がセクタ、セクタ 1 周分がトラック、各プラッタで同じ位置のトラックの集まりがシリンダ。容量 = セクタのバイト数 × セクタ数/トラック × トラック数/シリンダ × シリンダ数。データはセクタ単位で書くので、余りは無駄になる。
ハードディスクのアクセス時間とデフラグ
アクセス時間 = 位置決め時間 + 回転待ち時間 + データ転送時間。回転待ち時間は平均して 1/2 回転 の時間(1 回転 = 60 秒 ÷ 回転数)。データが散らばるフラグメンテーションが進むとアクセスが遅くなるので、デフラグで並べ直す。
RAID
RAID は複数のディスクを組み合わせて速さや信頼性を高める技術。RAID0=ストライピング(分散書込みで高速、冗長性なし)・RAID1=ミラーリング(同じデータを 2 台に、信頼性)・RAID5=パリティ付きストライピング(3 台以上、1 台故障まで復元)・RAID10=RAID1 と RAID0 の組合せ。
補助記憶媒体(光ディスク・フラッシュメモリ・SSD など)
光ディスクはレーザ光で読み書きする:CD(波長 780nm・約 700MB)→ DVD(635nm 赤色・最大約 17GB)→ BD(405nm 青紫色・最大約 100GB)、波長が短いほど大容量。種類は再生専用型(-ROM)・追記型(-R)・書換え型(-RW / -RAM / -RE)。ほかに光磁気ディスク・磁気テープ・フラッシュメモリ・SSD(衝撃に強く静かで速いが高価)。
入力装置
ポインティングデバイス(画面上の位置を入力):マウス・トラックパッド・タッチパネル・タブレット。読取り装置(データそのものを読み取る):スキャナ(画像)・OCR(文字 → 文字データ)・OMR(マークシート)・バーコードリーダ。
出力装置(ディスプレイ・VRAM・プリンタ)
ディスプレイは解像度(横×縦のドット数)が大きいほど高精細。表示内容を記憶する VRAM の必要容量 = 解像度 × 1 ドットの色のビット数 ÷ 8(AD-02 と同じ計算)。液晶は自ら発光せずバックライトで、有機ELディスプレイは自ら発光する。プリンタの指標は dpi(品質)・cps(1 秒の文字数)・ppm(1 分のページ数)。
入出力インタフェース
PC と周辺機器をつなぐ規格。パラレル(IDE・SCSI:複数ビットを並行して送る)、シリアル(USB・HDMI・IEEE1394:1 ビットずつ送る、現在の主流)、無線(IrDA:赤外線、Bluetooth:2.4GHz の電波)。ホットプラグ=電源を入れたまま抜き差し、プラグアンドプレイ=接続すると自動設定。Thunderbolt は外付けディスプレイ等の高速規格。